5つのコア技術

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機能性素材の可能性を引き出す
5つのコア技術

創業以来、農業・漁業から電子・情報通信分野まで5つのコア技術を基盤に機能性素材の可能性を広げる研究開発を重ねてきました。

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宇部エクシモの5つのコア技術

半世紀前、ユニークな発想で独自の製品を創造するという研究者たちの情熱は、オレフィン樹脂の押出成形技術の確立と世界初の梱包用ポリプロバンドとして結実し、当時紙バンド、帯鉄などを使用していた物流業界に革命をもたらしました。押出成形技術は、その後もさらに異形、精密、回転などの要素を加えて進化を続け、今や全国津々浦々に張り巡らされた光通信網においても、光ファイバーを収納する螺旋状の溝を有するスペーサーに応用され、IT基盤を支えています。ここにご紹介する5つのコア技術は、いずれも当社のオンリーワンばかり、これからも技術に磨きをかけて、次の時代の“あったらいいな”をカタチにしていきます。

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写真ラセンコンポーズの螺旋状の溝

押出成形技術
ラセンコンポーズ
光ファイバーを収納する螺旋状の溝を有するスペーサーを長尺、高精度、高速で製造でき、国内の光ファイバー網の整備に大きく貢献しています。
多彩な機能性素材を製造する当社の根幹をなす技術として創業当初の梱包用結束バンドや繊維製造から進化しつづけています。様々な熱可塑性樹脂(ポリプロピレン、ナイロン、ABS、ポリエチレンテレフタレート、フッ素樹脂、エラストマー等)を押出機で溶融混練し、ダイスから押出、冷却固化することで任意の形状に成形を行っています。この技術を独自に極めた「ラセンコンポーズ」は、独自開発した回転ダイスにて光ファイバーを収納する螺旋状の溝を有するスペーサーを長尺、高精度、高速で製造でき、国内の光ファイバー網の整備に大きく貢献しています。また、押出時に様々な添加剤を添加することで、耐候性、着色、難燃、帯電防止などの機能を付与し、お客様の要望に応えています。

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写真シムテックス原綿

紡糸・延伸技術
シムテックス
小さな孔から樹脂を押し出し、冷却しながら樹脂を細く引き延ばすことで配向と結晶構造を制御し、延伸に適した未延伸糸が得られます。
紡糸技術は、延伸に適した構造物(未延伸糸)を得るために重要な技術です。押出機で熱可塑性樹脂を溶融混練するまでは、押出成形技術と同様ですが、比較的小さな孔から樹脂を押し出し、形(○断面、異型断面)を形成すると同時に、冷却しながら樹脂を細く引き延ばすことで配向と結晶構造を制御し、延伸に適した未延伸糸が得られます。そして内部の結晶を伸ばして引き揃え、さらに強度を高めるために延伸が行われます。熱源としては、一般的に熱水(90℃)、常圧蒸気(100℃)、熱ロール等が用いられていますが、当社では高圧蒸気(130~155℃)延伸法を開発し、シムテックス(高強度オレフィン繊維)、シムテックスメッシュ等、他社にない差別化商品を展開しています。

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写真特殊樹脂接着による3層構造

引抜成形技術
FRP三層構造
未硬化FRPの上から熱可塑性樹脂を被覆し、冷却して得られた被覆層を型に見立て、後から加熱硬化するという独自の引抜成形技術を用いています。
中芯部成形、FRP層成形、外側被覆層成形を同時に行い、FRP層の熱硬化により全体を一体化する独自技術を保有しています。この方法は長手方向の繊維含有率が一定で、引抜抵抗が小さいため、生産速度を上げられるというメリットがあります。FRPを硬化する前の状態での製品取りも可能で、本来FRPで加工できないネット等の複雑な形状に先に加工し、後から硬化できる未硬化コンポーズという商品で蛇籠などへも展開中です。

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写真SEM画像(粒径:40μm)

ゾル-ゲル技術
ハイプレシカ
液晶ディスプレーパネルのギャップ材として、不可能と思われた0.1μmの粒径制御技術を確立しました。
金属アルコキシドを酸やアルカリ触媒存在下で、加水分解重縮合を行うゾル-ゲル技術を京都大学への派遣研究により学び、商品アウトプットを探索したところ、当時立ち上がりが期待された液晶ディスプレーパネルのギャップ材として単分散微粒子のニーズがあることが分かりました。アルカリ触媒存在下で比較的粒径の揃った粒子が生成されることは公知ではありましたが、ニーズに応えるための粒径の正確なコントロールは容易ではありませんでした。様々な検討を通じ、不可能と思われた0.1μmの粒径制御技術を確立し、「ハイプレシカ」の上市に至りました。また、金属アルコキシドと有機材料のハイブリッド化技術を加えることにより、柔軟性、着色(黒色)、屈折率制御など液晶パネルメーカー企業のお客さまへの要望にあわせた特性を有する単分散微粒子を製造することが可能になりました。

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写真CFRTP断面写真

連続ラミネート技術
エクシラム
熱媒の圧力をプレス面全体に均一にかけることで、線膨張係数が大きく異なる異種材料をシワなどの発生もなく高いピール強度で連続ラミネートが可能です。
当社が導入しているダブルベルトプレスの一番の特徴は、熱媒の圧力をプレス面全体に均一にかけることが可能な点にあります。この特徴を活かし、線膨張係数が大きく異なる異種材料をシワなどの発生もなく高いピール強度で連続ラミネート可能で、他社のロールラミネーターでは困難な、汎用性の高い製造プロセスを実現しています。これにより様々な種類・厚みの金属と有機材料をラミネートすることが可能です。高温・高圧の連続プレス装置のため、例えば炭素繊維をはじめとした強化繊維と熱可塑性樹脂を圧着処理することで、繊維内部まで十分に含浸した、FRTPシートを連続生産することも可能になりました。

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